君が心配だ、ガストン。

webデザインを学んでいる理系美大生。

卒展見て思ったこと-人の役に立つもの作りたい-

ご無沙汰してます。最近の廃人っぷりがブログの更新頻度に顕著に表れているグストンです。書かないこともまた記録です。つって。

 

今日友達と話してて出た話で、僕が「人の役に立つものを作りたい」という話。話して久しぶりに「あーそうだおれそう思ってたんだ」と思うこともあります。

 

デ情の卒制の話なんですが、デ情の卒制って基本なんでもありで、企画の提案でもいいし映像でもいいしデザイン論語る冊子でもいいし絵本でもいいし写真でもなんでもいいんです。そんな中、「ああおれ自分の卒制ではこんな感じのが作りたいなあ」とちょっとだけ思ったものが一個ありました。

 

 

鈴木 史彦先輩の卒業制作展示検索テーブル」というやつで、写真を撮らなかったことを後悔しながらどんなやつだったか説明すると、「デ情の卒展を見て周るのを快適にする卒制」だったんですね。デ情の卒展の受付の横に設置されていて、興味がある卒展をすぐに見つけられて、展示スペースへの行き方も表示してくれるというものでした。

 

僕がなんでこれいいなと思ったかというと、人の役に立っているからです。最初はピンと来ませんでした。なぜならこの作品の使命は卒展の数日間だけで、しかも「卒業製作」がそんな「おもしろくてちょっと便利だね」で終わってしまうようなものでいいのかとも思ったからです。しかし後々考えてみたら、そもそも何の役にも立たないし何が言いたいのかよくわからないし自己満足で終わっている(または満足さえできずに終わっている)卒業制作がたくさんある中で、数日間人の役に立ってちょっとおもしろがられたならそっちの方がずっといい、と思ったのです。この作品には存在意義が少なくとも感じられました。

 

僕はそもそも、人の役に立ちたい、という考えがかなり昔から脳みそにへばりついてるみたいです。大勢でカラオケに行けば、どうしても、自分が歌いたい歌ではなく、歌えばみんなが盛り上がってくれたり楽しんでくれると思った歌を入れてしまいますし、飲み会を開けば、どうすればみんなが楽しめるかよくよく考えますし、webデザインの専門学校でティーチングアシストのバイトをしたときはサービス残業しまくってバイト時間外も生徒の質問に答えたりします。今自分は人の役に立っているという実感が生きがいをもたらします。

 

何も僕は「卒展をより快適に楽しむツール」を2年後作りたいと思っているわけではなくて、「ひと目ですぐにそれのよさがわかり、尚且つ実用的なもの」を作りたいのです。例えば「これ、普通にお金払うから欲しいわ」と思えるような冊子だとか、「こんなwebサイトもしほんとにあったら普通に使うわ便利そう」とか思えるようなものとかです。また媒体はものでなくても、企画の提案などでも「これはいいな」と思えるようなものならいいと思います。

 

別の視点から話せば、ぼくは「これの何がどういいのかよくわからない芸術作品」とかに見向きもしません。感性とやらが乏しいのかもしれません。僕は「これの何がどういいか一発で誰にでもわかる」ものを作りたいです。わかりやすいのは好きです。

 

 

でもそれが一番むずかしいんだと思います。

課題発見という伝説の課題がデ情1年のときにありました。5,6人のグループワークで、一日3時間で1ヶ月かけてやるんですが、課題は「仮想の会社を設立し、社会の問題点を見つけ、それを解決しなさい」というものです。条件はほんとにそれだけなんです。「社会の問題点」に制限は全くなく、ささいなことから深刻で大きな問題までなんでもありです。ムサビ内の食堂をより使いやすくする企画を提案するグループもあれば、日本中の通勤をより快適にするためのアプリを提案するグループもあれば、なんでもありです。ただし企画は最終プレゼンの前に学科の教授数人からGOサインをもらわなければなりません。

 

そして、GOサインをもらうために教授に企画を説明する段階で、実にシビアな要求を教授たちはしてくるのです。「それは資金面で現実的じゃない」とか「それは君たちが今年やったとして来年からは誰が運営するの?」とか「そのサービス、もうあるよ」とかやたら現実的なことを平気で言ってきます。「実際にやるわけじゃなし、課題なんだから勘弁してよ」と嘆きたくなりますが、この課題で「便利であふれるこの時代に自分にしかできないことをするは並大抵のことではない」ということを学びました。必死になって「今の社会で、なんかおれにしかできないことないかな!?」と問題を探し続け、必死になってその解決方法を探さないと、「もう誰かがやってる」という壁にぶち当たります。

 

たくさん勉強して、いろんなサービスや便利なものなどの事例を知って、たくさんの知識をつけて、社会をよく見て、自分に解決できそうな問題点を見つけて、それに向かって全力で出来る限りを尽くし、その結果は誰にでもひと目でその意味や便利さや言いたいことがわかるほどシンプルなものに落としこみ、実際に人の役に立つ。そんな卒業制作ができたら、というか卒制だけと言わずそんなものづくりを生きてる間に作っていけたらこれ以上のことはないと思います。