君が心配だ、ガストン。

webデザインを学んでいる理系美大生。

epa!を2年やって感じたグループワークで大事な10のこと

おはようございます。ヒートテックを着て寝ると目覚めがいいという大発見をしましたガストンです。今日はいよいよアノ話題を……
 
僕は大学1、2年とepa!(エパ)というサークルに属していました。舞台をつくるサークルです。芸祭とかで公演してました。公式webサイトはこちら。
http://www.epamusabi.com/

あ、ちなみに、このwebサイトは僕がhtmlから全部作りました。webデザインをやっております。お仕事欲しいです(ボソッ)。
 
で、2年目は総演出っていうなんとも偉そうな部署についてたんですね。実際、とても重要な役で、今では僕では力不足だったと思ってます。スタッフを困らせ続けました。しかしこの1年間たくさんのことを経験しながら成長していったと思っています。
というわけで今日はグループワークに焦点をあててepa!をやってて感じたことをまとめたいと思います。ほんとは200くらいあるかもしれないけどざっくりまとめて10にしました。
 
1.グループワークは手伝いではなく参加。仕事を見つけよ。
グループワークの基本中の基本だと思います。全員が企画者のつもりで企画に携わることが大切です。
「わたしは下っ端だけど自分にできることをやる!!」
なんてアホぬかしなさるな。
も しトップダウン(ざっくり言うと上から下に指示が降りる組織構成)のかたちがしっかりとれていて、組織全体が機能するノウハウを蓄えた組織なら話は別です が、多くの場合(学生団体ならほぼ100%)組織はそうしっかりしていません。例え外部から見ればしっかりしてそうな団体でもです。
 
「何か手伝うことありますか??」
というのはとても響きがいいです。仕事を見つけようともしないうんこ野郎よりずっといいです。しかしこれでは本当はダメなのです。
「何か手伝うことありますか??」と聞くのがレベル1。
「これ、こうしたらいいですよね?やっときますね」と実行するのがレベル2。
「それ、もっとこうした方がよくないですか?」と提案できるのがレベル3です。
手伝うという意識自体変えましょう。入りたい組織に参加できたら、今度は自分の手で組織をもっとよくしようと努めましょう。
 
先 輩や上部の人をよくよく見てみると「あれ、こいつら思ったよりクソだな」と思うことはよくあります。大抵の場合上部の人はしっかりしてそうに見えるもので す。無責任な期待はほどほどにしておいた方がいいと思います。これはepa!がだめだめな団体だと言っているわけではなくて、大抵の場合、誰にでも(下っ 端にでも)改善すべき現状を見つけられるということです。上の人が効率の悪い指示を出している可能性も存分にあります。仕事を与えられたら、それがなぜや る必要があるのか理解してから作業を進めないと、途中で「ごめん、やっぱそれやらなくていいや」なんて言われる可能性もあるのです。ただ便利な作業人員に なるのではなく、脳みそも一緒に働かせましょう。
 
2.それぞれの責任とそれぞれの反省は別。全て自分のせいだと思え
責任を感じることと反省することは別です。自分ではない他の誰かが失敗したら、責任はその人にあるかもしれませんがあなたは失敗していないからといって反省する余地がないわけではありません。「自分があのときちゃんと催促していたら……」などがそうです。
 
で すが、繰り返しますが責任を感じることと反省することは別です。反省してもいいですが責任は感じなくてよい。つまり、「おれも催促しなかったり、至らな かった部分はあるから、お前だけ責めるわけにもいかない。お互い次から気をつけようね」なんて言ってたらアホ野郎です。厳しいと思われるかもしれません が、こんなことを言われた人は「自分だけが悪い訳じゃない」なんて思い込んでしまって、十分な反省をしない可能性があります。それぞれの持っている仕事が できず、その原因が本人にあることが明白ならば責任はその人にあります。ちゃんと反省させてあげましょう。
 
その上で、陰ながらあなたも反省し、もう「失敗させない」ことを意識しましょう。
 
3.結果がすべて。「させられなかった」は力不足。
「世の中結果がすべてだこの野郎ぐへへ!!」と、僕は思います。というか世の中そう動いてます。
 
僕 の好きな例え話をします。ある親子が道路を歩いています。道路に出て走り回る子供に対して母親は「危ないから気をつけるんだよ〜」なんてのんきなことを 言っています。しかし母親がのんきなのは、車が来ていないこと、来た時には子供をすぐに抱きかかえられる距離に自分がいることを理解しているからです。い ざという時にはわが子をさっと助けられます。
ここにまた別の親子がいます。先に言っておきますが、この母親は地獄レベルのクソ野郎です。 さっと助けられない距離まで子供が行ってしまっているのにも関わらず、「気をつけんと轢かれても知らんよ!!」なんて厳しいことを言っています。厳しい口 調でしっかりした教育をなさってるんですね☆。そして、車が来て子供は轢かれて亡くなってしまいました。クソ母親は言いました。「だから言ったのに」
 
も うお分かりでしょうか。これと同じことがグループワークでは非常によく見かけられます。「もっとこうしたらいいんじゃないか」と心の中で思っていたら、そ のとおりになったときなどに「だから言ったのに」。「ここをこうすべきだ」と言ったものの意見を聞き入れてもらえずそのまま進み、結果やっぱり自分の危惧 していた通りになった!!ここでも「だから言ったのに」!! 「お前らみんな間違ってるよ!こうすべきだ!」「何言ってんの違うよこうだよ(大多数)」 「うぐ……(みんなが言うならそうなのかも…でも)…し、知らないからな!!」(数日後)大多数「失敗した…」そんなときにも!!ハイ!!「だから言ったのに」!!!好 評発売中!!!
 
「だから言ったのに」というのは、動こうとしなかった、もしくは動こうとはしたけれど変えられなかった人の負け犬の遠吠えです。これを言う人たちは大抵、そのことを反省していません。本当はいいアイデアを出せる分、残念です。

大事なのは自分が「だから言ったのに」と言うことで自分を正当化することではなく、自分が正しい意見を言っていたのかどうかでもなく、そもそもグループが結果として失敗しないことです。結果が全てです。もちろん個人の「おれはちゃんと言った」などという結果などではなく、グループ全体の成功、失敗の結果です。

グループワークは一つのチームとして機能します。全体が従う意見はいつも一つに絞られます。 それを変えられなければあなたの力不足です。発言を諦めた時点であなたは相手の意見に同意したも同然です。本当に正しいと思う意見はどんな手を使ってでも全員に同意させてその方向に持って行かなければなりません。結果が最重要。プレゼン力や喋りのうまさや説得力など表面的なスキルが環境をよい方向に変えるのです。心に伝わらないと、そして行動を変えないと、結果へ導かないと、あなたの意見に価値はありません。後述しますが、グループワークは足し算ではなくかけ算。みんなが1でもあなたが2だと説得できれば全体は2になります。
 
 
4.罰がルールを作る。人は怒られないとわからない

ルールをルールたらしめているものとは罰なのではないでしょうか。警察に捕まりたくないから多くの人は痴漢をしません。もしこれが「痴漢してはいけません。でももしやったとしても罰は用意しておりません」なんてことになると、痴漢し放題です。やったぁ!!
……罰を用意していないルールはあってないようなものです。
覚えておきましょう。人は「だめ」と言われると「やらない方がいい」と受け取ります。実行して怒られてなんらかの罰を受けて初めて「こうなるのか!もうやめよう!」と理解します。
誰にでも経験があります。「あの宿題出さないとどうなるのかなあ?」いや、出せっつってんだろ!と学校の先生は思いますが、生徒にとって「宿題をやるかやらないか」の選択をする際に重要な判断材料は「やらないとどうなるか」です。

何も会議に遅刻したやつ全員に鞭打ちしろなんて言ってるわけではありません。罰には「信頼をなくす」といったポジティブな心構えを促すものもあります。ただしそのいずれも、わからせるには一度間違えさせる必要があるというところがミソです。あなたが指示を出す側の人なら、早い段階で違反するとどうなるのかわからせ、それにより空気を作ることが必要です。
指示を出す人は「なんでだめって言ったのにするの!」とか「なんでやれって言ったのにやらないの!」なんて怒りたくなるかもしれませんが、そもそも相手の気持ちになって考えてみれば、「それに背いた場合どうなるか」を提示してあげることが一番の判断材料を与えることになることを覚えておくとよいかと思います。


5.人が集まると当たり前のことが難しくなる
三人寄れば文殊の知恵と言いますが、知恵を絞ることとそれを実行することは別です。知恵を出す分には多い方がいいかもしれませんが、実行する分には多いほど難しくなります。端から見れば「やりゃいいじゃん!」「やめりゃいいじゃん!」と言ってしまえるようなことで、しかもそれを内部の人が聞くと「いや、その通りなんだよ」と答えてしまうような、つまり当たり前のことを実行するのが難しくなります。例えば、「これについて反対派の人がいるかもしれないからちゃんと全員集まって決めないといけないんだけど、なかなか全員集まらない」とか、「こうした方がいいのは明確なのにそれによるほんのちょっとした雑務をみんなが嫌がるから誰もやろうとは言わない」とか、「来るはずのアイツがなぜか来ない」とか理由は様々ですが、その多くがしょうもないことです。しかししょうもないことで「話が進まない」などデカい問題が起こるのも事実です。それを完璧に予防することは並大抵のことではありません。

僕の持論ですが、グループワークに参加している全員にちょっとした負の部分があります。「たまにさぼりたくなる」とか「たまにどうでもよくなる」とかです。誰にでもあります。逆に、正の部分も全員にあります。「お前が頑張ってんの見てるとなんかテンション上がってきた!みんな頑張ろうぜ!」とか、「ふと思ったけど、みんながいないとできないんだよな…グループワークすげえぜ!」とかです(そういうのない…?)。なんでもないことでこれらのスイッチは切り替わります。ぶれぶれです。
全員のちょっとした負が協調してしまうと、「みんな思ってるけど誰も言い出さない」などの意味不明な悲劇がいとも簡単に起こります。しかし、例えば全員いる場で先輩からのアツいメッセージが届けられると、全員のちょっとした正が協調して「うおーーー!!!!」ということになります。ご存知の通り、少なくとも日本では場の空気がものを言いますので、上に立つ人はこの空気をうまく動かし、正の協調を測る必要があります。……おれも……もっとしっかりしてれば……(←負)


6.専門知識から逃げるな
epa!はパフォーマンス班や服飾班など、班に分かれて制作していたのですが、他班のことは他班に任せる、なんて意識ではだめだ、ということはよく言われていました。パフォーマンス班は服飾班に対して、それを着て踊るという観点から意見を言っていいし、言うべきだ、という具合に。これはこれでよいことだと思うのですが、しかしここで間違えないでおきたいのが、「専門知識を身につけて話せ」ということです。「おれは服飾を専門にやってないから詳しいことはよくわからないんだけど、おれが思うに…」なんてぬかす愚かモンヌがいたら「わからないなら言うなー!!フランキーラディカルビイィーム!!!!」「ぎゃあぁぁぁー!!!」ということになってしまいそうです。
もちろん専門知識を三日三晩でマスターしなさいと言っているわけではありません。議論する上で最低限必要な専門知識は三日三晩で把握できるからそれくらいは勉強しろということです。

それに、他分野の専門知識が多少ないと、「これこうできないの?」「ああ…それは(専門用語)が(専門用語)で(専門用語)だからできないね(ほんとはめんどいだけだけど)」「そっかぁ…」なんてことが起こりかねません。特に機械などを扱う分野では専門用語ガトリング砲で素人をちょろまかすなんて朝飯前でしょう。

議論にちゃんと参加するために最低限の様々な専門知識をみにつけること。これは1.グループワークは手伝いではなく参加。仕事を見つけよ。にもリンクしている部分があります。


7.いつも正しい人にはいつも疑ってかかれ

いつも正しいことを言う優秀な人というのがいます。いつも状況を客観視できて、言っている内容がいつも的を射ていて、この人の発言には多くの人がとりわけ耳を傾けます。こういう人が会議に一人でもいてくれると議論が進みます。

しかし、こういういつも正しい人にこそいつも疑ってかかるべきです。少し大げさに言うなら、いつも正しい人は空気を作る力を持っています。「よくわからないけど、あの人がそう言うんだからきっとそうなんだろ」という根拠足り得ない根拠で議論を進めることは非常に危険です。いつも正しい人があとになって「やっぱ間違ってた!」と言う可能性もあるし、そのときあなたが「えー!お前がああ言うからそう信じたのにー!」なんて言うことはできません。論理的に何かを決定する場で「信じる」だなんて会議に参加していないも同然です。

いつも正しい人の言いなりになっているといつかみんなで痛い目を見ます。
いつも正しい人がそれらしいことを言うたびに、「本当にそうかな?」と心の中で疑ってかかりましょう。いつも正しい人が悪気なく古代兵器を復活させてしまう前に……


8.「みんなで話して、……ってことになった」は危険信号

ここで言いたいのは「会議での決定事項は空気ではなく人が決めるべき」ということです。「昨日会議で〜ってことになったから」という言葉をよく耳にします。ってことになった、って、何??

休んでしまった会議での決定事項を聞いて、相手が「ってことになった」と言ったら、「誰がどういう意見を出してそうなったのか」と、理由とそのプロセスを聞きましょう。そこで相手が「あれ、なんでこうなったんだっけ」となったらそれはもう全国ツッコミ王選手権開催ものです。人の意見ではなく雰囲気で決まっている可能性大です。

会議は人との戦いではなく空気との戦いだと思います。場の雰囲気ではなくはっきりした根拠の元結論が導き出されるべきです。しかしこれがなかなか難しいものです。前述したいつも正しい人に影響されていないか、空気に流されていないかよく見極めることが重要です。

会議の内容を別の誰かに自分の言葉で説明できるかどうか、それで会議の雰囲気を知らないその相手を納得させられるかどうかが、理屈の通った会議かどうかを見極める判断材料となるでしょう。


9.自分を必要としない組織を作るのがリーダーの仕事

リーダーの話ですが、これは僕がとても反省している点の一つで、リーダーの仕事は自分を必要としない組織を作ることだ、ということです。実はどこかで目にした言葉のウケウリなんですが、とても共感しています。つまり、「リーダーがいてくれたおかげで助かりました!リーダーありがとう!」なんて言われたいがためになんでもこなしていてはいけないと思うのです(過去のおれ)。みんながやらないからここはおれが、と誰でもできる雑務や事務仕事を懸命にやればやるほど、周りの人は「別にやらなくてもリーダーか誰かがやる」と考えるようになる一方です。

どうしても「必要とされたい」と思ってしまいがちですが、全く逆で、望ましいのはリーダーは必要最低限の指示(方針や重要な部分)を出すだけでそれをするにはどうすればいいかをスタッフ一人一人が自分で考えるという情況です。リーダーがいなくてもすべきことがわかっている、という自分を必要としない情況を作ることがリーダーの最大の仕事だと思います。


10.グループワークは足し算ではなくかけ算である
なげえ〜〜〜。もうクタクタだ。でもこれで最後になります。
グループワークは足し算ではなくかけ算だと思います。

人を何人集めたところでそのやる気や才能を引き出せなければ、全体は0のままです。どんなにやる気のある人がいても、少数のやる気ゼロ野郎がいるだけで全体は0になりかねません。

また、力仕事などでは別ですが、こと企画やアイデアを練りながらの制作においては、人手が足りないからといって人を増やしたところで、よくなるかどうかは加わった人次第です。

ここで言う数字は、言うならばやる気や意欲、スキル、費やした時間などでしょうか。これらは全員が少しずつ持ち合わせるだけで全体で見れば大きな力になりますし、個人が少しずつもっと頑張るだけで全体の成果は跳ね上がります。

自分がちょっと頑張ったところで全体は何も変わらないと思ったら大間違いです。自分が倍頑張れば、全体は倍よくなると考えましょう。逆に自分がちょっとさぼれば、周りもさぼりがちになると考えましょう。なぜなら、自分の打ち込み具合を周りの人は見ているからです。この数字は相乗効果で上がったり下がったりします。



最後になりますが、グループワークで何を得られるかは自分次第です。何かやってみたい、忙しくなりたいなどのぼんやりした目的でサークルなどに入る事自体は僕は悪いことだとは思いません。僕のそのクチです。ただし、サークルや団体は、あなたに何も与えてくれません。入ったらいろいろ教えてもらえていい経験になる、と思い込むのは間違いです。団体が唯一与えてくれるのは「環境」だけです。その環境の使い方はあなた次第です。人脈を増やすのは自分のコミュ力次第。スキルを身につけるのは自分の仕事探し力次第。そして全ては自分の意欲次第でしょう。

社会はグループワークで成り立っています。人が手を取り合って生きているからです。グループワークが嫌いな人が多いようです。確かに大変だし面倒ですが、それでも僕はグループワークが好きですし、多くの人に積極的に取り組んでほしいと思っています。


そこで得られる経験はすべて吸い取るつもりで貪欲に参加しましょう。それがグループワーク全体としてもいい結果を生むことは間違いないのですから。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。
素敵な体験をさせてくれたepa!11,12の皆様に感謝します。

2年間ありがとうございました。

epa!11パフォーマンス班 epa!12総演出 山口翔平